園芸施設共済

〔加入者の声〕

園芸施設共済に加入した農業者の声を紹介します

 

〔パンフレット〕

〔引受編〕

(1)特定園芸施設 施設園芸用施設のうち、その内部で野菜や花きなどの農作物を栽培しているプラスチックハウス(ビニールや合成樹脂板の被覆材を使用)及びガラス室です。また、骨格部分が半鋼鉄線により接続され、施設全体が防風、防ひょう、防虫及び防鳥の目的のネット(多目的ネット)で被覆されているものや雨よけ施設等も加入の対象となります。

※フレーム(育苗温床)、トンネルなど1a当たりの再建築価額が3万円未満の施設園芸用施設は加入の対象外となります。

(2)附帯施設 特定園芸施設とともに、施設内農作物の栽培の用に供される暖房施設、かん水施設、換気施設などです。

※その他附帯施設となるものは・・・
温湿度調節施設(暖房施設、冷房施設、カーテン装置等)、排水施設、炭酸ガス発生施設、照明施設、しゃ光施設、自動制御施設、発電施設、病害虫等防除施設(土壌消毒施設を含む)、肥料調整散布施設、養液栽培施設、運搬施設(特定園芸施設に固定された運搬施設に限る)、栽培棚(ベンチ)、支持物

※地下に埋設されている配管等については、引受に含めることはできません。

(3)撤去費用

ハウス本体の解体や廃材の撤去、処分に要する費用を補償します。

 

(4)復旧費用 損害を受けたハウス本体・附帯施設の復旧に係る経費を補償します。復旧作業を業者に依頼せず加入者自身で復旧した場合は材料費等の請求書等の額に加え、労務費相当額100円/m2を加算して支払われます。

パイプハウスのパイプ部分は、耐用年数の10年を超えると時価現有率が50%まで下がりますが、復旧費用に加入すると復旧を条件に、新築時の資産価値の最大 80%まで補償されます。

なお、加入申込時に付保割合追加特約を申し込みいただくと、100%まで補償できます。

(5)施設内農作物 特定園芸施設内で栽培される野菜、花き、鉢物などです。

※通常の肥培管理が行われない又は行われない恐れのある農作物及び育苗中の農作物は対象外となります。

※育苗中の農作物とは、①直播栽培されない農作物②定植されない農作物③鉢物類については、鉢上げしない農作物-をいいます。

共済目的ごとの一括加入制となっていますので、加入申込者が特定園芸施設の所有者である場合は、共済目的(特定園芸施設、附帯施設、施設内農作物)ごとの所有物すべてについて、次により加入の申込みをしていただき、組合が加入を承諾することによって成立します。

ただし、園芸施設共済以外の保険等に付されている施設や、耐用年数の2.5倍を超える施設を除いて加入することができます。

(1)特定園芸施設 加入する場合は、加入申込者が所有又は管理する特定園芸施設すべてについて、1棟ごとに加入することになります。

※特定園芸施設の加入を原則として、附帯施設、施設内農作物も併せて加入することができます。また、特定園芸施設撤去費用(被覆物を除く)・復旧費用について、特定園芸施設と併せて加入できます。

(2)附帯施設 加入する場合は、加入申込者が所有又は管理する附帯施設すべてについて、加入することになります。
(3)施設内農作物 加入する場合は、加入申込者が所有又は管理し作付されている施設内農作物のすべてについて加入することになります。加入方法は次の2方式です。
一般方式 共済事故(別掲、補償の範囲(共済事故)を参照)による、損害を支払いとする方式です。
病虫害事故除外方式 共済事故のうち「病虫害」を除く損害を支払対象とする方式です。
ワンポイント
Q. 事故除外方式に加入するには、何か条件を満たしていなければならないのですか?
A. 次の条件を満たしていなければなりません。
条件 ①特定園芸施設(ハウス)の設置面積の合計が5a以上で、かつ、この申出に係る共済責任期間の開始前3年間にわたり、継続して特定園芸施設を用いて施設園芸の業務(栽培)を営んだ経験、すなわち、栽培経験年数が引き続き3年以上の方に限ります。
②ただし、特定園芸施設(ハウス)の設置面積の合計が5a未満、又は栽培経験年数が引き続き3年未満の場合でも、生産出荷団体の構成員で、病虫害防除に必要な施設が整備され、防除機具等を設置しその防除を適正に行う見込みがある方は加入できます。

◆補償を充実させたい編

サクッと分かる!園芸施設共済のしくみ!

共済責任期間は

※周年加入が基本となります
共済掛金の払込みを受けた日の翌日から1年間です。ただし、設置が周年でない園芸施設は、短期の加入ができます。

共済金額(契約金額=補償額)は

共済金額(※1) = 共済価額 × 付保割合(※2)

※1 共済金額 ※2 付保割合(補償割合)
災害があったときに支払われる共済金の限度額です。 共済価額(ハウス等の時価額)に対し、共済が補償する割合です。加入時、加入申込者の申出により40%~80%の範囲で選択できます。付保割合80%を選択した場合、さらに付保割合を90%または100%に引き上げる特約を選択(棟ごとに選択可)することができます。(※特約分の掛金は、加入者の負担となり、国の負担はありません。)

※表示が途切れる場合は「右にスワイプ」で内容を表示します。

※共済価額(1棟ごとに定める)とは・・・

①特定園芸施設及び附帯施設については、再建築価額又は再取得価額に、経過した年数に応じた時価現有率を乗じて得た金額です。

②施設内農作物については、施設の再建築価額に農作物価額算定率を乗じて得た金額です。

③撤去費用については、特定園芸施設の引受面積に単位当たり撤去費用を乗じて得た金額です。

④多目的ネットハウスについては、ネットハウスの設置面積に単位当たり再建築価額と時価現有率を乗じて得た金額です。

〔特定園芸施設の価額〕

本体(パイプ)の価額+被覆物(ビニール)の価額となります。

【加入計算例】

(1)本体(パイプ)の価額
本体の価額=設置面積×m2当たり標準価額×時価現有率なので
708,100円=194m2×3,650円×100%(設置後1年未満)

※m2当たり標準価額とは、標準的な型式、材料等により算出されている価額です。

※時価現有率とは、本体(パイプ)を設置してからの経過年数に対する割合です。

(2)被覆物(ビニール)の価額

被覆物の価額=被覆面積×m2当たり標準価額×被覆経過割合なので
154,049円=413m2×373円×100%(被覆後1年未満)

※被覆経過割合とは、被覆材を初めて被覆したときからの経過年数に対する割合です。
特定園芸施設の価額は、本体価額+被覆物の価額で算出されますので
708,100円+154,049円=862,149円となります。

ワンポイント
Q. 被覆物の価額を算定する際に、被覆経過割合がありますが、どうしてですか。
A. 被覆物はいずれ交換しなければならず減価償却します。被覆物も材質によりその割合は異なりますが、各々農林水産省より指示された被覆経過割合を適用し、被覆物の価額を算定します。

(3)撤去費用に係る共済価額

撤去費用の価額=特定園芸施設の設置面積×単位当たり撤去費用
(ガラス室1,200円、ガラス室以外の鉄骨ハウス880円、パイプハウス290円)

※撤去費用の範囲とは・・・

①特定園芸施設の養生費、解体費、基礎撤去等の取壊し費用

②特定園芸施設の取壊しに伴い発生する撤去清掃費用

③これらの産業廃棄物の処理、ガラスの破損に伴う客土の搬出に係る運搬費用

(4)多目的ネットハウスの共済価額

多目的ネットハウスの価額=本体の価額+被覆物の価額

1)本体の価額=ネットハウスの設置面積×m2あたり標準価額×時価現有率

2)被覆物の価額=被覆面積×m2あたり標準価額×被覆経過割合

※時価現有率とは、ネットハウスを設置してからの経過年数に対する割合です。

〔附帯施設の価額〕
附帯施設の再取得価額×時価現有率となります。

※再取得価額とは・・・

新たに同一の附帯施設を取得するとした場合の費用に相当する金額を言います。

※時価現有率とは・・・

附帯施設を取得してからの経過年数に対する割合です。

〔施設内農作物の価額〕

特定園芸施設の再建築価額×施設内農作物価額の算定率となります。

※特定園芸施設の再建築価額=本体の再建築価額+被覆物の再取得価額

※施設内農作物の価額設定は、平均的な生産費(投下費用)を補償する方式をとっています。
(例えば、水道光熱費、肥料費等の第2次生産費までの補償)

※再建築価額とは、新たに同一の特定園芸施設を建築するとした場合の費用に相当する金額をいいます。

※施設内農作物の算定率は、特定園芸施設の再建築価額のm2当たりの単価によって定められています。

ワンポイント
Q. 施設内農作物の価額の算定について、もっと詳しく教えてください。
A. 以前までは施設内農作物が、例えばホウレンソウでもトマトでも補償する額は同じでしたが、実態に合った補償をしようということで平成5年の法律改正により、施設内農作物の種類を3区分にして補償することになりました。
施設内農作物の作物区分   ・葉菜類・果菜類・花き類

※表示が途切れる場合は「右にスワイプ」で内容を表示します。

(例)新築した標準的なハウスと施設内農作物の補償額は・・・

<施設本体(パイプハウス)の補償額>

○本体(パイプ)の価額=設置面積×m2当たり標準価額×時価現有率
 708,100円=194m2×3,650円×100%(新築)

○本体(被覆物)の価額=被覆面積×m2当たり標準価額×被覆経過割合
 154,049円=413m2×373円×100%(新品)

○施設本体の価額=本体(パイプ)の価額+本体(被覆物)の価額
 862,149円=708,100円+154,049円

●施設本体の補償額(共済金額)689,719円=862,149円×80%(付保割合)

〔施設内農作物の補償額〕

m2当たり再建築価額4,444円=862,149円(708,100円+154,049円)÷194m2

(m2当たり再建築価額4,444円に対応する施設内農作物価額の算定率)

葉菜類9.6% 果菜類34.3% 花き類43.5%

●葉菜類 82,766円=862,149円×9.6%(算定率)
 補償額(共済金額) 66,212円=82,766円×80%(付保割合)

●果菜類 295,717円=862,149円×34.3%(算定率)
 補償額(共済金額)236,573円=295,717円×80%(付保割合)

●花き類 375,034円=862,149円×43.5%(算定率)
 補償額(共済金額)300,027円=375,034円×80%(付保割合)

※端数は、円未満切捨てとなります。

共済掛金は

共済掛金は、被覆する期間と被覆しない期間の別に計算します

※1共済金額1億6千万円までの掛金は国が2分の1負担します。

※2共済金額1億6千万円を越える分の掛金、付保割追加特約分の掛金、小損害不てん補1万円に相当する掛金、復旧費用特約分の掛金は農家の負担となります。(国の負担はありません)

〔施設本体(パイプハウス)のみ加入する場合〕

○194m2のハウスで1年間使用する場合

  • 付保割合80%、小損害不てん補3万円又は共済価額の5%を選択したとき
  • 施設本体の共済金額(補償額)=689,719円
  • 共済掛金 689,719円×危険段階別共済掛金率(3.734% 新規加入の掛金率)=25,754円
  • 農家負担掛金  25,754円×50%=12,877円 となります。
    12,877円で689,719円を補償することになります。

※危険段階別共済掛金率が適用されます。過去(20年間)の損害率に応じて、加入者ごとに掛金率が設定されます。

 

掛金等の割引措置について

○集団加入割引

1.集団加入による共済掛金の割引
 以下の要件を満たせば、共済掛金の5%が割引となります。
 ア 加入資格者が構成員となっている団体において、当該構成員が園芸施設
   共済に加入する旨の取り決めを行い、園芸施設共済の一斉加入受付の実
   施及びハウスの補強・保守管理に取り組むことについて、組合と協定を
   締結していること。
 イ 一斉加入受付を実施し、園芸施設共済に加入申込みを行うこと。
 ウ 一斉加入受付により園芸施設共済の加入割合が、一斉加入受付前より増加し、かつ加入割合が8割を超えること。

2.一斉加入受付による事務費賦課金の割引
 組合と上記の協定を締結した団体が一斉加入受付を実施した場合、
 加入者の事務費賦課金を割引します。
 (1)10人以上の構成員が一斉加入受付を行った場合→20%割引
 (2)5人以上10人未満の構成員が一斉加入受付を行った場合→10%割引

○特定の園芸施設の共済掛金を割引  
 主にプラスチックフィルムが被覆材として使用され、かつ主要骨格が31.8mm
 以上の径のパイプにより造られている施設の共済掛金率を15%割引します。

◆掛金を安くしたい編

サクッと分かる!園芸施設共済のしくみ!

特定園芸施設の区分

○特定園芸施設の区分は被害の発生態様の差異を勘案して次表の10種類に分類されています。

特定園芸施設の区分 区分の標準
ガラス室Ⅰ類
(木骨)
屋根及び外壁の主要部がガラスにより造られ、かつ、骨格の主要部分が木により造られている施設
ガラス室Ⅱ類(鉄骨) 屋根及び外壁の主要部がガラスにより造られ、かつ、骨格の主要部分が鋼材又はアルミ材により造られている施設
プラスチックハウスⅠ類(木竹) 骨格の主要部分が木又は竹により造られている施設
プラスチックハウスⅡ類(パイプ) 主としてプラスチックフィルムが被覆材として使用され、かつ、骨格の主要部分がパイプにより造られている施設
プラスチックハウスⅢ類(鉄骨下) 主としてプラスチックフィルムが被覆材として使用され、かつ、骨格の主要部分が鋼材又は鋼材及びパイプにより造られている施設
プラスチックハウスⅣ類甲(鉄骨中) 主としてプラスチックフィルムが被覆材として使用され、かつ、骨格の主要部分が鋼材又はアルミ材により造られている施設のうちプラⅣ類乙及びプラⅤ類以外のもの
〔屋根面に軟質系の被覆材を使用している施設〕
プラスチックハウスⅣ類乙(鉄骨中) (1)主としてプラスチックフィルムが被覆材(硬質フィルムに限る)として使用され、かつ、骨格の主要部分が鋼材又はアルミ材により造られている施設
(2)プラⅣ類甲の区分で(※)耐候性ハウスの基準に該当する施設
プラスチックハウスⅤ類(鉄骨上) (1) 屋根及び外壁の主要部が合成樹脂板により造られている施設
(2) プラⅣ類乙の区分で(※)耐候性ハウスの基準に該当する施設
プラスチックハウスⅥ類(雨よけ等) (1)主として屋根面のみがプラスチックフィルムにより被覆されている施設
(2)全体又は主として屋根面のみが通気性を有する被覆材(寒冷紗、ネット等)により被覆されている施設のうち、プラⅦ類以外のもの
プラスチックハウスⅦ類
(多目的ネットハウス)
全体が通気性を有する被覆材により被覆され、かつ、骨格の商用部分(隅柱、周囲柱及び中つり柱)が鋼材、アルミ材又はコンクリートにより造られており、鋼線により接続されている施設

※)耐候性ハウス

  • 耐風速50m/s以上又は耐雪荷重50kg/m2以上の強度を有する施設
    (耐風速について、過去の最大瞬間風速が50m/s未満の地域においては、当該地域における過去の最大瞬間風速を耐風速値とすることができる)

〔施設本体(パイプハウス)+施設内農作物を加入する場合〕

○施設内農作物にキュウリを作付した場合

  • 施設本体の共済金額(補償額)=689,719円
  • 施設内農作物の共済金額(補償額)=236,573円
  • (施設本体+施設内農作物)の補償額 =926,292円
  • 共済掛金
    施設本体 689,719円×3.734%(新規加入の掛金率)=25,754円
    内作物 236,573円×3.115%(新規加入の掛金率)=7,369円
  • 農家負担掛金(共済掛金-国負担掛金)
    施設本体 25,754円-12,877円(国負担掛金25,754円×50% )=12,877円
    内作物 7,369円-3,684円(国負担掛金7,639円×50%) =3,685円
    よって、農家負担掛金は
    施設本体12,877円+内作物3,685円=16,562円となります。

※共済掛金の半分は国が負担します。加入年度ごとに共済金額の合計が1億6千万円まで(ただし付保割合の追加特約分、小損害不てん補1万円に相当する分、復旧費用特約の掛金は全額農家負担となります。)

※農家負担掛金と併せて事務費賦課金が賦課されます。

補償の範囲(共済事故)は

(1) 風水害、ひょう害、雪害その他気象上の原因(地震及び噴火を含む)
(2) 火災、破裂及び爆発
(3) 航空機の墜落及び接触並びに航空機からの物体の落下、車両及びその積載物の衝突並びに接触
(4) 病虫害、鳥獣害(ただし、事故除外方式による契約の場合は、除かれます)

〔損害評価編〕

共済金の支払いは

特定園芸施設1棟ごとに、共済事故によって加入者が被る損害額が、加入申込時に選択した小損害不てん補を超える場合に支払われます。なお、共済金は、次により算出されます。

小損害不てん補の基準(選択できる共済金支払いの対象となる基準)

①3万円または共済価額の5%のいずれかを超える場合

②10万円を超える場合

③20万円を超える場合

④50万円を超える場合

⑤100万円を超える場合

※①を選択した場合で、さらに少額からの補償を希望する場合は、1万円の損害から支払われるコースを特約として選択できます。(特約分の掛金は、加入者負担となります。)

※第三者行為による賠償金やハウスの残存物価額がある場合は、損害額からこれらの金額を控除した金額が損害額となります。

ワンポイント
Q. 小損害不てん補の基準となる金額はどのように選択するの?
A. 共済金は、棟ごとに損害額が小損害不てん補の基準となる金額を超えた場合に支払われます。この基準となる金額は加入申し込みの際に、加入する棟ごとに選択することができます。基準となる金額を大きくすると、共済金の支払いを受ける機会は減りますが、その分、掛金は安くなります。

損害額

損害額は、損害評価の結果算定される次の金額の合計です。

被覆材の自然消耗割合

被覆材は消耗品であるため、責任開始日から経過月に応じた消耗割合を減じて計算します。

適用経過月 0~3カ月 4~6カ月 7~9カ月 10~12カ月
一般軟質フィルム 0% 12% 25% 37%
耐久性軟質フィルム 0% 0% 14% 14%

※表示が途切れる場合は「右にスワイプ」で内容を表示します。

〔計算例:特定園芸施設(パイプハウス)の場合〕

特定園芸施設の価額862,149円(本体708,100円、被覆物154,049円)、総被覆面積413m2

(1)被覆物(ビニール)に被害を受けた場合

(ア)現地で確認する事故

①本体の事故は、補修か取替か被覆材は補修する面積(新たに被覆に要する面積)を確認します。

風害で被覆面積413m2の内、206m2が引き裂かれた場合

損害割合は、206m2÷413m2×100%=49.9%なので

被害額は、154,049円×49.9%=76,870円(=損害額)となり
支払共済金は、76,870円×80%(付保割合)=61,496円となります。

(2)施設内農作物に被害を受けた場合

(ア)現地で把握する事項

①施設内で栽培されている農作物が、共済事故によって生じたものであるかを確認します。

②内容農作物の作物名の把握と、生育ステージを確認します。

③共済事故による作物の損傷程度を把握し、損害程度割合を決定します。

◎活着期

損害割合=30%(全損に限る)×栽培割合
                ↑
             (栽培面積÷設置面積)

◎生育期

損害割合(30%+70%×生育経過日数/標準生育日数)×損害程度割合
                             ↑
                         (被害面積÷栽培面積)

◎収穫期

損害割合=(100%-100%×既収穫日数/標準収穫日数)×損害程度割合

※標準生育日数、標準収穫日数は県の指導のもとに、栽培実態に応じて基準が設定されています。

※標準生育日数とは、活着した時から収穫開始直前までの日数をいい、標準収穫日数とは、通常の肥培管理をした場合の、収穫開始から収穫完了までの日数をいいます。

(ロ)共済金の支払額

共済金=被害額×共済金額/共済価額で算出されます。
     ↑
    被害額=施設内農作物価額×損害割合×(1-分割割合)

※施設の管理、土壌管理、肥培管理等が不十分なことにより生じた病虫害による損害は、共済金支払対象外のものとして、分割評価をすることになっています。

〔計算例〕

特定園芸施設の価額862,149円、施設内農作物の価額295,717円、作物名 キュウリ(抑制・その3)

(3)収穫期の場合(標準収穫日数100日)

収穫開始後10日日に、水害により浸水し全株枯死する被害を受けたとすると
(損害程度割合 100%、栽培割合 100%の場合)
損害割合は、(100%-100%×10日/100日)×100%×100%=90.0%なので
被害額は、295,717円×90.0%=266,145円(=損害額)となり、
支払共済金は、266,145円×80%(付保割合)=212,916円となります。

※病害虫のみによる損害の場合は、肥培管理等の状況により分割評価となります。

共済金支払いの免責は

次の場合には共済金の支払いをいたしません。

(1)悪意若しくは重大な過失による損害。

(2)加入申込みの際、特定園芸施設の構造等に関して、悪意又は重大な過失によってこれを通知せず又は不実の通知をしたとき。

(3)被害が、周年でない園芸施設において、被覆していない期間として加入申込時に届出した期間に異動通知がなく被覆していて被害が発生したとき。

(4)通常すべき管理その他損害防止の義務、指示に従わなかったとき。

共済金支払責任のない損害は

次の場合の損害は補償の範囲外です。

(1)変乱によって生じた損害、共済目的の性質若しくは暇庇又は自然消耗によって生じた損害。

(2)加入者(親族を含む)又はその者の法定代理人の故意若しくは重大な過失又は法令違反によって生じた損害。

(3)加入者等が植物防疫法の規定に違反することによって生じた損害(施設内農作物の被害に限ります)。

詳しい補償内容等はお近くのNOSAIにお問い合わせください。

 

 

◆園芸施設共済のしくみを動画で紹介します。(農林水産省作成)

サクッと分かる!園芸施設共済のしくみ!

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