農業共済新聞記事バックナンバー
「底面給水栽で均一生産」
【大崎市古川】「自分に合う栽培方法でかつ、購入者も育てやすい品種を選定している」と話す大崎市古川の手島徹(てしまとおる)さん(69)。妻・良子(りょうこ)さんと息子の啓(けい)さんとともに一年を通して鉢花や花苗を栽培している。15年以上、購入者のニーズに応えるよう人気品種を追求し続ける。
手島さんは36㌃の園芸施設で鉢花13種類と花苗20種類を、一年を通して栽培している。母の日にはカーネーション、クリスマスの時期はポインセチアなど季節に合わせながら鉢花6万鉢、花苗8万ポットを出荷する。
水やりには、鉢やポットの底面から土に水をしみ込ませる底面給水栽培技術を導入。灌水(かんすい)むらが少ないため、均一な株が大量に生産できるというメリットがあるうえ、作業時間の短縮が可能という。
鉢花はC型鋼に水や養液を溜めて給水する方式で、花苗は、栽培棚に吸水マットを敷いて水分を用土にあげていくプールベンチ式のマット灌水を利用する。
さらに「虫や病気を見つけるため、こまめに観察することが重要」と手島さん。病害虫が発生しやすい場所を見極め、早めの消毒を行うことで、良質な鉢花に仕上げていく。
休日の前日の水やりはたっぷりと行う。休養をしっかり取るためだ、十分な休養が農作業の活力になるという。
「栽培することが楽しいし、おもしろい。思い通りに育った鉢花を、購入者が評価してくれることが一番うれしい」と話す。
今後については「若者に興味を持ってもらえるよう、常にアンテナを張って需要を見極めながら栽培を続けていきたい」と意気込む。