農業共済新聞記事バックナンバー

「ネット動画で情報発信」

【加美町】加美町の山城恵介さん(23)は、動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」を活用して、米ができるまでの生育過程や農作業の様子・情報を配信している。「生産から食卓に上がるまでの食のつながりを知ってもらい、食に興味を持ってもらいたい」と笑顔で話す。

山城さん方では、恵介さんと父の庄哉(しょうや)さん(52歳)で主食用米6.2㌶、モチ米50㌃、飼料用米3.3㌶を作付けする他、発酵粗飼料(WCS)3㌶、牧草8㌶を管理し、繁殖和牛20頭を飼育している。
 恵介さんがYouTubeチャンネル「Road to Forest」を開設したのは3年前、就農したときで、農作業や自然・風景の動画を定期的に配信している。
 きっかけは2度の留学だという。恵介さんは仙台高等専門学校(仙台市青葉区広瀬)在学中に、フィンランドのトゥルクでパソコン関連の技術を半年間学び、20歳の時にはアメリカのサンノゼでにITビジネスの勉強をするために5ヶ月間留学した経験がある。
 「他国の農業を目の当たりにし、農業に可能性を感じた」と恵介さん。「アメリカではオーガニックマーケットが確立され、ブランド化されている。食の安全、健康志向は日本にも根付きつつあり、日本の食材はオリンピックなどでさらに世界に注目されるだろう。英語が話せ、機械系に詳しい自分の強みを生かした農業ができると考えた」と話す。
 YouTubeチャンネルのコンセプトは、「実際に食べている食材は誰かが作っている」で、子どもたちが食のつながりを意識し、食に興味を持つような動画の提供を心掛けている。
 現在、「ごはんになるまで○○日」というタイトルで週に2~3回配信していて、恵介さんは「約7千人のチャンネル登録を1万人まで増やしたい。農業関係者とのコラボレーションや、撮影場所を加美町全域や大崎市に広げていけたら」と意気込みを話す。

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