農業共済新聞記事バックナンバー
「味の良さを追求」
【大崎市三本木】「自分がおいしいと感じ、作った作物をみんなに食べてもらいたい」と話すのは、大崎市三本木の三浦俊彦さん(73)。水稲2.8㌶のほか、カボチャ20㌃、ハウス約15㌃で春トマトとアールスメロン1500本を栽培する。多品目栽培に挑戦し、現在は、メロンの出荷時期を迎えている。
三浦さんがメロン栽培を始めたのは、高校生のときに、静岡産のおいしいメロンを食べたことがきっかけという。55年間取り組み、香りが良く肉質が柔らかいと評価を得ている。
「当初、静岡県と違って、露地では実ができず、小ぶりな玉にしかならなかった。宮城県の気候に合う品種を探し試行錯誤した」と振り返る。
主力品種は安定で作りやすい「雅夏(みやびなつ)」系を選定。
メロン栽培は「品種と土壌、水分管理が大事」という。乾燥した土壌を好むため、毎日一株ずつ観察し、適度な水加減になるよう調整、管理を徹底的に行う。
着果前には栄養が分散しないよう摘芯作業を行い、葉を10枚残し、観察を怠らない。この作業が糖度15度以上を引き出すことにつながるという。
6年前から取り組むのがカボチャの栽培だ。品種はホクホクとした甘さが特徴の「ダークホース」。排水不良の圃場にはライ麦を播いて対策する。「毎朝観察し、必要のないわき芽をとることにより、おいしいカボチャに仕上がる」と話す。
一株から一個を収穫することにしていて、うま味や成分が凝縮されたカボチャを目指す。収穫後は1~2か月貯蔵してデンプンを糖化させ、甘味を引き出してから出荷する。
「今後はメロンと両立しながら、カボチャを規模拡大させたい。後継者を育てて、次世代に技術をつなげていければうれしい」と笑顔をみせる。
▽商品名「みうらさんちのメロン」は1個1300~1500円。10月10日頃から出荷。(髙橋千)