農業共済新聞記事バックナンバー
「農の魅力を伝えたい」
【大崎市岩出山】「岩出山の土地で育てた旬の作物を食べて、食材のおいしさを感じてほしい」と話す大崎市岩出山上野目の「よっちゃん農場」代表を務める髙橋博之さん(49)と妻の道代さん(50)。農業と発酵調味料など農産加工を続けて17年で、多角的な農業経営を行いながら、農業の魅力を伝える。
髙橋さんは20年前に就農し、水稲1㌶、畑40㌃でセリ、ナス、キュウリと7種類のトウガラシを栽培するほか、竹林2.5㌶でタケノコを生産する。
「よっちゃん農場」とは、農業の可能性を広げようと農産加工を始めた母のよし子さんにちなんで名付けた。
看板商品は農薬を使わずに栽培したトウガラシや自家製米麹(こめこうじ)を使った発酵調味料の「よっちゃんなんばん」。炭焼きなんばんみそやラー油など10種類の加工食品も製造・販売し、道の駅をはじめ、東京の飲食店でも取り扱う。
「『なんばんは辛い』というイメージがあり、消費者の好き嫌いが分かれるため、商品化は試行錯誤した」と博之さん。「家族による手作り商品なので大量生産はできないが、辛いだけでない“おいしい”を伝えたい。つけだれや炒め物などどんな料理にも合い、料理のアクセントになりトウガラシの魅力を味わえる」と自信を見せる。
道代さんは「昔懐かしいふるさとの味。ほっとする温かみがあるとリピーターも多い」と笑顔で話す。
現在は、タケノコ生産にも力を入れる。朝取りを出荷し、水煮やメンマなど加工品も販売する。
「コロナが収束したら以前のように農業イベントや出張販売も再開したい。地元の子供たちに食育や農業体験などを通して農業の楽しさを広めていきたい」と夫婦で抱負を話す。
▽よっちゃん農場=0229‐72‐3718(今野昌)