農業共済新聞記事バックナンバー
「次世代につなげたい」
【登米市】「リンゴの収穫は今がピーク。旬の時期に多くの消費者に届けたい」と話す、登米市南方町の株式会社サンフルーツ・ファームの小野寺均代表取締役(73)。2・8㌶の園地でモモやリンゴ、ブルーベリーなどの果樹を栽培し、加工・販売に取り組み、果樹経営を次世代へと繋げる。
土木建築会社を経営していた小野寺代表は、従業員の周年雇用を目的として、2000年に休耕地を整地し果樹栽培を始め、12年12月に同社を設立した。
南方町地区には果樹栽培農家が1軒もなかったことから、小野寺代表は農業改良普及センターの指導を受け、従業員とともに剪定(せんてい)から摘果の仕方まで勉強した。近くの牧場からは堆肥を譲り受け、土に混ぜ込み園地の土壌改良を行ってきた。
「果樹農家としては新参者だったが、その努力で徐々に地元にファンができ始めた」と小野寺代表。「今年はモモの出来が良く、硬めの食感が好評だ。肥料を変えたのが功を奏したのかもしれない」と試行錯誤を続ける。
商品は、加工品も含めて庭先販売が主体で、「道の駅みなみかた」に出荷もする。また、食味の良さが評価され、仙台の青果物専門店やホテルとも取引する。
「一から作り上げてきた園地だから、次の代に、きれいな状態で引き継ぎたい」と小野寺代表。最近はサンフルーツ・ファーム従業員の天野博貴さん(34)に、園地の管理方法や経営の指導も行っている。
「2人で作業すもときはざっくばらんに意見を交わし、問題の解決策を探っている。意欲ある若者がいると、自分も力が湧いて新しいことに挑戦する気になる。今後はハウスでレモン栽培をしてみたい」と将来を見据える小野寺代表だ。
▽サンフルーツ・ファーム=0220-58-4160(伊藤恵)