農業共済新聞記事バックナンバー

「養蜂を楽しみ環境を学ぶ」

【石巻市】「養蜂を通じて地域の復興を」――石巻市と東松島市の有志が始めた「石巻二ホンミツバチの会」は、幅広い世代が会員となり、養蜂を楽しみながら、環境についての知識、関心を高めていて、会員からは「二ホンミツバチを通じて新しい人生の楽しみを見つけ、生きがいを感じている」と声があがる。

石巻ニホンミツバチの会は、養蜂家の芳賀潔さん(60歳、東松島市在住)を含めた6人が理事となり、2019年4月に設立させた。
 活動は養蜂、蜜源植物の栽培、商品開発、地域復興活性化など。石巻市や東松島市、県内外の人など会員は約65人だ。
 会員は工夫を凝らした巣箱を自作し、個人個人が庭先や周辺の敷地などで管理している。
 ニホンミツバチは病気に強く手軽に飼育が始められる。設立当初は、養蜂初心者が多かったため、会の顧問を務める養蜂家が技術や方法を指導したという。会員が増えてきてからは、一般の人も交えて、蜂蜜採取や試食会、蜜蝋〈みつろう〉を使ったラップやクリーム作りなどのイベントやワークショップを開催し、好評を得ている。
 「蜂はすべて人を刺すものと思われがちだが、ニホンミツバチは温厚な性格で自ら人を刺すことは滅多にないと知ってもらいたい」と芳賀さん。
 同会の蜂蜜は、いしのまき元気いちばや東松島市の直売所「Harappa(はらっぱ)」などで販売していて、会の事務所では、蜂蜜の量り売りにも対応する。
 「ミツバチは受粉の役割を担い、減少すると自然の循環が少しずつずれてしまう。この会では、人間もミツバチもすみやすい環境、自然と共生する豊かな社会を目指したい。また、子供たちがニホンミツバチを通して自然環境や生態系の重要性を体感できるような場をつくりたい」と芳賀さんは笑顔で話す。(後藤)

ページ上部へ