農業共済新聞記事バックナンバー

「農作業の自動化で負担軽減」

【岩沼市】「農作業の自動化は、これからを担う若い農業者が求める魅力ある農業の一助になるはず」と話すのは岩沼市玉浦地区の「農事組合法人林ライス」代表の田村孝彦さん(64)。同法人は2021年産から本格的に農業機械を使ったスマート農業に挑戦し、働きやすい環境づくりを目指している。

同法人は役員を含む8人で水稲60㌶と大豆15㌶の他、キャベツなどの野菜1・5㌶を栽培する。
 農業機械の自動化で以前から課題だった従業員の作業負担を軽減。作業時間の短縮と省力化を図る。
 「従来の水稲の直播では2㌶播種するのに1日かかっていたが、機械の導入で約半日まで短縮でき速さと正確性は格段に向上している」と田村代表は効果を実感する。
 自動操舵機器を搭載するトラクターは現在地がGPS(衛星利用測位システム)でキャビン内のモニターに表示される。トラクターに圃場ごとの進路をあらかじめセットし、播種機にも種子や薬剤の種類や量をスマートフォンなどで設定。現地ではセットされた位置をトラクターが自動で直進しながら播種作業する。
 「今まで気にしていた進路が自動化され、かなり負担が減った。播種もれがないので効率が良く、精度も高いので安心して作業ができる」と播種作業をする同法人の田村祐喜さん(42)。
 進路にずれがあると自動でハンドルが動いて微調整がされるという。「作業機に負荷がかからないよう最初はスピードを落として進む。自分の感覚と機械の精度のギャップに慣れるまでは大変だった」と振り返る。
 導入時はコストがかかるが、同法人では費用対効果を考え決断したという。
 田村代表は「これからの農業に機械の自動化は欠かせない。作業の効率化で時間の余裕を生み、より細かな栽培管理を図っていく。労働環境を改善することで若い人が農業に取り組む良い展開を期待したい」と意気込む。(遠藤)

ページ上部へ