農業共済新聞記事バックナンバー
「育てる喜び満喫」
【多賀城市】「水管理と温度管理、そして風通しを良くして環境を整えることが上手く育つ条件」と話す、多賀城市の角田茂(かくだしげる)さん(72)。水稲を65㌃栽培する傍ら、50年前から多肉植物の栽培を趣味で始め、現在は10種類、鉢数で約500個まで増やし展示会に出展する。
「多肉植物は乾燥地帯に自生する植物なので、日本の環境で育てるには常に環境管理が欠かせない」と角田さんは話す。
「水は与えすぎると根腐れするので、秋から冬の水やりは週に1回。夏は湿度が高いので行わない」という。温度管理も重要で、夏の高温多湿や冬の氷点下のような環境にも弱い。
高温対策としてハウス内にサーモスタットを付け、室温が30度を超えると換気扇が回り空気を循環させて気温の上昇を防ぐ。また、冬は早朝に暖房を起動して5℃度を下回らないよう温度調整をする。
「植え替えしている時が一番楽しい」と角田さん。その際の土作りも重要で、粒の大きさがさまざまな土を、バランスよく配合して、水はけや根の成長に配慮する。
「日本多肉植物の会南東北支部」に所属し、会員との情報交換も楽しみの一つだという。「会で年に一度、展示会を開いていたが、昨年はコロナの影響で中止。会員やお客さんとの交流ができずに残念だった」と角田さん。現在は交配に挑戦していて「昨年交配させたものを播種し、今は出芽したところ。これからの成長が楽しみで、会員たちへの報告が待ち遠しい」と笑顔で話す。