農業共済新聞記事バックナンバー

「売れる商品作り手間惜しまず」

【登米市】「両親が農業経営の基盤をつくってくれていたため、私たちの世代で新しいことに取り組めている。農産物はふるさと納税のお礼品に選ばれたので自信がある」と話す登米市東和町の石坂真紀さん(40)。2001年に就農し、家族と共に水稲15㌶、ハウス(350坪)で花きと野菜を栽培する。地元生産者と協力しながら販路を開拓するなど前向きに農業に取り組む。

子どもが生まれたことをきっかけに、意欲的に農業経営に参加するようになったという石坂さん。これまでに、子どもの目に止まりやすくなるよう商品のパッケージにシールで目や口を付けたり、種類の違うミニトマトを袋詰めして色鮮やかな商品作りをしたりした。「小さなひと手間が、お客さんの購買欲をかき立てる」と話す。
 また、SNS(会員制交流サイト)で自家産農作物の情報を発信する作業も担当する。
 石坂さん方では、仙台市の秋保ヴィレッジの農産物直売所へ出荷を始めるなど、販路を拡大する。「生産者同士で直売所までの運搬などを協力している。地域の仲間にたくさん助けられて今の自分がある。これからは人に喜ばれるものを作っていきたい」と意気込む。
 旬より少し早い時期に直売所に出せるよう生産を調整し、商品には自作の「石坂さん家」シールを貼る。
「初物が店に並んでいると、お客さんは手に取ってくれやすい。商品がおいしかったら、旬でたくさんの同じ商品が並んでいても『石坂さん家』のシールが貼ってある商品をリピート買いしてくれる」と石坂さん。「今後も消費者の目線を意識しながら、生産者の仲間同士、支え合いながら販売していきたい」と笑顔で話す。(伊藤恵)

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