農業共済新聞記事バックナンバー
「養蜂に熱中」
【丸森町】「花の香りそのままの蜂蜜を楽しんでもらいたい」ー丸森町耕野の株式会社石塚養蜂園の石塚武夫(いしづかたけお)代表取締役(50)は、1997年3月に耕野地区に移住して同社を設立した。蜂蜜を生産販売する他、蜂蜜を原料にワッフルやジェラートを手掛け、養蜂の魅力を発信する。
千葉県出身の石塚代表は、「養蜂技術を身につけたい」と鹿児島県で2年間学んだ後、耕野地区に移住して養蜂を始めた。「鹿児島県と宮城県の天候や環境が違うため、初めは苦労した」というが、今では年間6㌧もの蜂蜜を生産する。
耕野地区は自然に恵まれ、雑木林が多く花の種類が豊富なことから養蜂に適しているという。同社で商品化する9種類の蜂蜜は、花の種類ごとに分けられ、それぞれの味と香りが楽しめるのが特徴だ。
5月~6月に蜂蜜収穫の最盛期を迎える。収穫で巣箱に近づくときは防護服を着ながら、燻煙器で煙を吹きかけミツバチを落ち着かせる。
巣枠が15枚入った巣箱には、約1万匹のミツバチがびっしりと蜜をためる。巣枠から専用の遠心分離器で採蜜し、こす作業を2回行って不純物を取り除き、100%天然蜂蜜として販売する。「蜂蜜は花の種類ごとに味や香り、色みが違うので、楽しんでもらいたい」と石塚代表。
商品は「道の駅かくだ」や近隣の直売所などで販売していて、同社の直売所では試食で蜂蜜の魅力をアピールする。「耕野のはちみつ」は50㌘入り400円からで、電球型の容器などアイデア商品にも人気がある。
「今後は蜂蜜を原料に保湿力が高く肌に優しい化粧品を商品開発していきたい」と抱負を話す。(高橋)