農業共済新聞記事バックナンバー

「みんなが集うカフェ」

【登米市】登米市迫町の有限会社三塚牧場(繁殖牛35頭、肥育牛120頭)で代表取締役を務める三塚浩之さん(38)と香子さん(41)夫婦は、解体予定だった築40年の集会所をリノベーションし、12月12日、仙台牛のハンバーガーを看板メニューとしたカフェ「シルクロ」をオープンさせる。

家業を継ぐため2017年に東京からUターンした三塚さん夫妻。「自家産仙台牛のオリジナルハンバーガーを提供したらどうか」と香子さんが思い立った。自家産と地元の農家から仕入れた野菜を使用し、バンズも香子さんが焼き上げ、手作りハンバーガーが出来上がった。「生産者としても驚くほどおいしかった」と浩之さん。「ハンバーガーでも、『さすが仙台牛』と思ってもらえるはず」と話す。
 横浜市出身の香子さんも「登米市産食材の旬のおいしさを知ってもらいたい」と期待を膨らます。
 同社では浩之さんの就農を機に、これまでの肥育経営に繁殖部門を導入。「生産する牛肉を100%三塚牧場産にしたかった」と振り返る。
 店名のシルクロは、スペイン語で循環や円という意味で、カフェは集いやすく開かれた設計だ。
 「カフェスペースのほか、多目的に使える半屋外のような土間スペースも設ける。入店の一歩手前みたいな空間で、立ち寄りやすい場所になれば」と三塚さん夫妻。  
 店内は農産物の直売やハンドメイド雑貨の販売に利用するほか、ワークショップなどの開催も視野に入れる。「年代や性別を越えて交流を深めてもらいたい」と先を見据える。
 「畜産農家が素材を生かした料理を提供することで、生産者の思いが消費者へダイレクトに伝わると思う」と香子さん。6次化により女性が活躍できる農業を目指している。さらに、「人と地域のつながりを大切にした農業の形をつくっていきたい」と抱負を話す。(佐藤明)

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