農業共済新聞記事バックナンバー
「農福連携に挑戦」
【仙台市】「ハンディキャップのある方が社会とつながる場になればと思い農園を始めた」と話す仙台市の佐藤好宣さん(39歳、株式会社MITU代表)。農作業を通して、心身の健康を向上させ、勤労の楽しさを感じてもらう取り組みを行っている。
「自分は交通事故に遭い、原因不明の症状に悩まされた。働くことも日常生活を送ることも困難な状況に陥った」と振り返る佐藤さん。そんなとき野菜作りをする機会があり、家庭菜園を始めた。
農作業をしていくうちに自然に触れることや人との交流により気持ちが前向きになり、社会復帰するまでに回復。さらに、「農業を通して就労の機会を設けたい」という強い気持ちが芽生え、農園立ち上げを目指した。
現在は、仙台市高砂地区と大崎市古川地区に合わせて3・6㌶の畑を管理し、サツマイモやニンジン、ヤーコン、ブロッコリーなどを生産。収穫した野菜は県内のスーパーへ出荷する。
就労支援施設4ヶ所と社会復帰を支援する団体2ヶ所と連携して施設利用者を受け入れる。繁忙期には約20人が除草や収穫などの作業に従事する。
施設利用者以外も参加できる農業体験も開催していて、「自然の中で土に触れ、外に出る元気を得て、何度も農場に通い野菜作りの楽しさを感じとる参加者もいる」と紹介する。
佐藤さんは、「できるだけその人の適性にあった作業をお願いし、野菜作りを通じて畑から元気をもらい心身ともに満たされて楽しんでもらえる環境を提供したい。農業を通じて生きがいの場、就労の場をつくることで人に優しい農園であり続けたい」と笑顔で話す。
▽(株)MITU=090-6255-7598(阿部)