農業共済新聞記事バックナンバー
「収量増に手応え」
【大崎市古川】「受け継がれてきた品質を保ち、『古川なす』のさらなる発展につなげていきたい」と話す、JA古川なす部会長の曽根隆行さん(43歳、大崎市古川)。同部会はナス(主にハウス栽培)の生産量が県内一だ。会員46人で夏秋ナスの栽培に取り組み、品質の追求と収量増を目指している。
曽根さん方ではビニールハウス6棟14㌃で、夏作はナス栽培、冬作はシュンギクを栽培するほか、水稲10㌶、大豆3㌶を曽根さん夫妻と両親で手がける。
2016年の結婚を機に就農。農業を営む妻の両親の元、18年からナス栽培に取り組んだ。「最初は手伝うだけのつもりでいたが、実際に始めてみると、ナス栽培の奥深さに気付いた」と話す。
栽培する品種は主に「式部」と「あのみのり2号」だ。
自分で穂木と台木を作り、接ぎ木を行うなど、自ら苗を作ることで「自分の作業体系に合わせた育苗ができ、作業時間に余裕が生まれる」と話す。
基本の土作りはハウス1棟ごとに土壌分析を依頼し、それに基づいて施肥設計を行い、基肥は抑えて追肥で補っていく。
畝幅110㌢に株間70㌢間隔で互い違い2列に定植(100坪当たり300本)する。脇芽を適宜摘み、誘引をしながら、主枝のほかに3本の側枝を伸長させ4本に仕立てる「2条4本仕立て」だ。高さは作業のしやすさと効率を考え180㌢に抑える。
「光を確保しながら収量を最大限確保できる限界が4本仕立て」と曽根さん。「管理を徹底して、現在坪当たり収入金額7千円のところを1万円にしたい」と抱負を話す。
「古川なすは基準を厳しくし、部会員が苦労してブランドを守っている。これからも安全・安心でお客さまに喜ばれるナスを提供していきたい」と力を込める曽根さんだ。(髙橋千)