農業共済新聞記事バックナンバー

「農地を守るぞ」

【加美町】加美町北鹿原地区の大森猛史(たけし)さん(41)は、義父から受け継いだ水田2㌶を管理する傍ら、借りている60㌃の畑でネギを栽培している。若手の新規就農者として、「地域農業を守りたい」とネギ栽培に取り組み、日々奮闘している。

大森さんは運送会社に勤務しながら、農業に興味を持っていたという。親戚が農業法人「タカノー産業株式会社」を設立したことを機に就農を決意。ネギの周年栽培に取り組む同社で5年半、作業に従事しながら、管理技術のコツを学んだ。
 2020年に「義父が守ってきた農地を荒廃させたくない」と同社を辞め、北鹿原地区の義父の農地を受け継いだ。さらに別の場所で畑を借りて、ネギ栽培を継続している。
 「ネギは病気や虫が付かないよう小まめな防除が肝心。国のリース事業や補助金を活用しつつ、農業設備を整えている」と大森さんは話す。
 1月に種を播き、3月下旬から4月上旬に定植。生育期間中に4〜5回の防除を行い、11月に収穫する。「昨年は7月の大雨の影響で、一部のネギが育たず枯れてしまい、農業の難しさを感じた。収穫時期は忙しく大変だが、無事収穫できるとうれしい」と苦労や喜びを話す。
 大森さんに畑を25㌃貸している塩田俊光さん(67)は、「後継者不足の中、若手でやる気もあり、大いに期待している。大森さんのような担い手を心から応援したい」と話す。
 大森さんは「従業員を雇用できるくらいまで作付面積を増やし、収穫量を上げるのが当面の目標」という。ゆくゆくは他の野菜にも挑戦していく予定だ。「大変なことも多いが楽しんで取り組み、地域農業の活性化につなげたい」と抱負を話す。(堀籠)

ページ上部へ