農業共済新聞記事バックナンバー
「切れ目なく出荷」
【大崎市】大崎市三本木の石田耕作さん(74)は、主食用米1.9㌶、飼料用米2㌶のほか、トマト、キュウリ、カボチャ、メロンなどの野菜を年間通して20種類以上を栽培。収穫した野菜は全て「道の駅三本木やまなみ」の直売に出荷し、丹精込めて栽培した野菜を多くの人に届け喜ばれている。
「約50年前、減反政策で発生した休耕地を有効活用しようと始めたのが、野菜栽培のきっかけだった」と石田さん。現在は、露地とハウス合わせて約25㌃の土地を年間で2~3回転させ、土地を最大限活用する。年中切らさず出荷できるよう、少量多品目で野菜を栽培している。
「規格に合った野菜でもお客さんの目を引かなければ売れないので、珍しいものを作るようにしている」と石田さん。春カボチャや秋のジャガイモなど、時期をずらして、直売所に商品が並ぶよう計画し、品種の選定に気を配る。
やまなみを運営する株式会社大崎市三本木振興公社販売部門の佐々木かおりさんは、「ほぼ毎日出荷してくれるので、直売所としても非常にうれしい。多様な旬の野菜はもちろんのこと、珍しい野菜も高品質で提供してくれる。石田さんの野菜を求めて開店前から並ぶ人もいる」と期待を寄せる。
やまなみ設立時には発足委員を務め、開業から20年以上、野菜の出荷を続けている石田さん。長く取引していて気がかりなのは、直売所に出荷する人の高齢化だという。
「年齢などを理由に農家をやめる人がいるのが残念だ。一方で、新しく就農する人がいて、そういった新たな芽を育てながら地域の農業を盛り上げ、営農規模を維持し、直売所への出荷を継続していきたい」と抱負を話す。(関)