農業共済新聞記事バックナンバー
「自慢の蜂蜜ブランド展開」
【登米市】「自然豊かな三滝堂周辺の花々から集めた蜂蜜を、皆さんに味わってもらいたい」と自信を見せる登米市東和町の熊谷利男さん(70歳、熊谷養蜂)。2015年に養蜂を始め、地元の不動産会社と連携して「三滝堂ハニー」をブランド化し、地域振興の一助を目指す。
ニホンミツバチは人影の少ない場所を好む習性があり、熊谷さんは、市内の不動産会社「株式会社まちおもい」の大山敏幸さんと長岡美穂子さんの協力のもと、三滝堂周辺の空き家に養蜂箱を設置。2人の勧めをきっかけに商品化を試みた。
「熊谷さんの蜂蜜は、地場ブランドとして地域を盛り上げるものになると感じた」と長岡さん。蜂蜜は一般的に大瓶での販売が多いが、多くの人が手に取れるようにと小型の瓶を採用し、単価を抑えた。若い世代も手に取りやすくなり、プレゼントに好評という。
管理の上で大変なのが採蜜のタイミングとアカリンダニなどの害虫対策だと熊谷さん。本業だった大工の経験を生かし、スギ材の正目で作る自家製の養蜂箱は、熱湯消毒のため寸胴鍋のサイズにしたり、せっかく作った巣が夏の暑さで壊れないように支えを取り付けたりするなど、管理がしやすく害虫の侵入を防ぐよう設計を年々工夫する。
採蜜をしない11月から3月の間は養蜂箱の作製や消毒を行う。保管時に結晶化しないよう18度以上を目安に管理し、製品の品質低下を防ぐ。さらに蜜蝋(みつろう)の精製にもいそしむ。
養蜂箱は三滝堂周辺の4㌔以内に設置し、1箱(2万匹)から約4㍑しか採取できず年間出荷量も限られている。
熊谷さんは「現在の20箱をゆくゆくは30箱まで増やし、ブランド力を高めていきたい」と意欲を見せる。
▽販売場所=「PUBLIC SPACE モトハマヤ」(登米市東和町米谷元町226、☎0220(23)9827 (佐々木幸)