農業共済新聞記事バックナンバー
「良品生産に全力」
【大崎市岩出山】父親から引き継いだ原木シイタケ栽培に取り組む大崎市岩出山の中鉢千家治(ちゅうばちちかじ)さん(73)は、「今後もみんなにおいしいといわれるシイタケを作っていきたい」と管理に余念がない。
中鉢さんは所有する山林の、直射日光が当たらない風通しの良い場所で原木7千本を栽培。シイタケは機械で乾燥させ、市内の「あ・ら・伊達な道の駅」で通年販売している。
原木は、青森県八戸市から長さ約90㌢のナラの木を取り寄せる。「駒菌」を用い、発生の開始時期を調整するため、中低温性と中温性の品種を使い分けている。
植菌作業は2月から3月中旬。「植菌は適期のタイミングを逃さず、原木の太さに合わせて、等間隔に植菌している」と中鉢さん。1日に100本ほどの原木に駒菌を打ち込み、菌を原木に活着させることを目的に原木の仮伏せ(横積み)を行う。8月下旬に井桁積みに組み直し、本伏せする。2夏経過すると収穫となり、原木1本で5、6年は継続して発生するという。
中鉢さんは以前、原木7千本を管理していたが、原発事故の影響ですべて廃棄した。だが、原木シイタケ栽培を諦め切れず、ナラの原木を改めて取り寄せ、震災前と同数に戻した。さらに、サクラの原木を使ってムキタケとヒラタケの栽培も行う。
「原木シイタケは肉厚で食感が良い。乾燥させることで、味や香りも良くなり、保存も利く」と中鉢さん。「塩こしょうで炒めるだけでシイタケ本来のうまみを味わえる」と自信をみせる。
▽水稲2㌶、ジネンジョ40㌃(二階堂)