農業共済新聞記事バックナンバー
多角経営で地域に元気を
【村田町】村田町の「有限会社サン・ファーム韮(にら)神(がみ)(代表=櫻井とし子さん・69歳)」では、直売所「韮神や」を運営し、同法人が生産した米や地元産の新鮮な野菜などを販売。さらに、自社栽培の米や大豆を原料とした加工品の製造にも取り組み、多角的な経営を行いながら地域の活性化を目指している。
1995年に設立した同法人は、10年ほど水稲を中心とした作物の栽培を専門的に行っていたが、2005年に直売所を開店。現在は農業部門5人、直売所3人と少ない人数ながら手分けし、主食用米31㌶、飼料用米20㌶、大豆12㌶、大麦8㌶を栽培する。
直売所では、手作りの弁当や惣菜のほか、生産した大豆を原料とした豆腐やみそなど加工品の製造にも力を入れてきた。
櫻井さんは「作り始めた当初は課題も多く、季節ごとの気温の変化に対応し、製品の味や品質を均一に保つために試行錯誤を重ねてきた。近年では遠方から訪れるリピーターも増えた」と笑顔で話す。
地域の農家から仕入れている野菜も充実しており、季節によって珍しい野菜も取り扱う。それらを原料にした漬物も年間を通して販売している。9月上旬には今年豊作だったウメも店頭に並ぶ予定だ。「新米を使ったおにぎりやお弁当と併せて楽しみにしてほしい」と櫻井さん。
「『お客さんを大切に』を直売所の理念とし、商品の充実と衛生面や接客など訪れた方に喜んでもらえる店づくりを心がけてきた。開店当時は失敗することもあったが、お客さんに支えられ、商品の製造から販売まで楽しみながら続けてきた」と振り返る。「法人では今年、収入保険に加入し安心して農業経営を続けられる。直売所として新しい商品の製造などの挑戦を続けたい」と抱負を話す。
▽問い合わせ=「韮神や℡0224・52・6938」(小田嶋)