農業共済新聞記事バックナンバー
新規就農してネギ栽培 地域農業を守る
【東松島市】東松島市の丸木翔太さん(38)は、サラリーマンから転職し新規就農して2年目。同市で後継者を探していた農家から90㌃の農地を引き継ぎ、若手の新規就農者として「地域農業を守りたい」とネギ栽培に取り組み、日々奮闘している。
丸木さんは「農業は朝早くて大変」「体を使う重労働」というイメージを持っていたという。しかし前職で、営業で農家と話す機会が多く、そのイメージが変化していった。
2011年に、石巻市に転勤となり妻の香織さんと知り合い結婚。当時、香織さんは東松島市のネギ農家・渥美浩吉さん方に勤務していて、丸木さんも作業を手伝ううちに、「農業の素晴らしさを肌で感じた」という。その仕事ぶりを見ていた渥美さんから後継を打診され、香織さんの後押しもあり、就農を決意した。
営農の習得法は、品質向上などの営農に関する知りたい情報を事前にメモしてから、渥美さんの出荷時に市場に同行し、生産者の先輩に聞くように心がける。
丸木さんは午前4時に作業スタート。周年栽培のため、耕起をはじめ収穫作業、出荷とやることが多いが、日々充実している。
「以前に比べ規則正しい生活となり、体調はものすごく良くなった。家族と過ごす時間もでき、生活時間の配分も自分でできるのがいい。体がつらいときもあるが、気持ちの安定感の方が大きい」と笑顔で話す。
JAいしのまきやもと長葱生産組合の副組合長を務めている丸木さん。「ネギ部会では後継者不足で、生産者の高齢化が進んでいる。農業のことを何も知らない自分を受け入れてくれた地域や生産組合に恩返しがしたい」と話し、「今後は新規就農者にアドバイスや栽培指導ができるよう努力し、地域農業を盛り上げていきたい」と意欲的だ。(推野)