農業共済新聞記事バックナンバー
「1年中おいしいイチゴを目指して」
【名取市】「1年中完熟した旬のイチゴを味わってほしい」と話す名取市の有限会社ケロケロの杜代表取締役山口睦(むつ)美(み)さん(34)。6連棟のビニールハウス30㌃で「よつぼし」などイチゴ10品種を栽培。1年中いちご狩りを楽しむことができ、農園には直売所も併設している。
2021年に義父から経営を受け継ぎ、有限会社ケロケロの杜を設立。いちご狩りを中心に従業員15名で手掛け、直売所や全国各地のケーキ店に出荷している。
山口さんは「食品ロスや夏でも冬と同じように美味しいイチゴを皆さんに食べてもらいたい」という思いからイチゴ栽培を始めた。
栽培方法は吊り下げ式のポット栽培。通常より1.5倍収穫量が増え、土の病気が移りにくいため管理がしやすい。夏は炭酸ガスで光合成を促し、冬は脱炭素化に向け地下熱を利用した電気暖房を使用。温度管理や水はけを意識し、それぞれの品種に適した土壌づくりを行っている。
夏イチゴは5月下旬から11月、冬イチゴは12月から6月まで栽培。「寒暖差に応じて栽培を行っているため、1年中良質なイチゴを楽しめる」と山口さん。
もっと多くの人に食べてもらいたいと2020年夏、キッチンカーで全国各地を訪れイチゴを使ったスムージーやパフェなどを販売した。夏でもおいしいイチゴが食べられると訪れたお客さまから好評だった。
山口さんは「今後はハウスを増設し、いちごはもちろんのこと、シャインマスカットなどのぶどう栽培にも挑戦したい。これからもお客さまの声を大切に、より多くの方が楽しめるような観光農園にしていきたい」と抱負を話す。(川村)