農業共済新聞記事バックナンバー

「みんなから愛されるジェラート」

【名取市】名取市でジェラートショップ「ナチュリノ」を経営している図南商事株式会社・代表取締役の鈴木(すずき)知浩(ともひろ)さん(49)。地元の農家から仕入れた新鮮な食材を使用し、常時16~18種類のジェラートを販売し、地域の活性化を目指している。

2011年に東日本大震災に見舞われ、大きな被害を受けた名取市。同社も大切な社員や社屋を失った。そんな悔しさの中で地域の生産者と復興に向けて何かできることはないかと考え、「みんなが大好きなアイスを地元の素材で作ることを思いついた」という。
 鈴木さんは「ジェラートはその土地の味や香りを感じることで食べる人の心を豊かにする食べ物である」と話し、ジェラートへのこだわりを話す。
 ナチュリノのジェラートは使用する果物の含有量が他に比べてとても多い。そのため素材の味が生かされ、「まるで果物をそのまま食べているかのような仕上がりになる」と鈴木さん。
 また、季節限定のフレーバーも多く作っており、夏はモモやスイカ、メロン。冬はリンゴやナシ、サツマイモなど、旬の果物や野菜は地元産の新鮮な食材なので、一番おいしい時期に味わえる。
 22年5月23日に開催された日米両首脳非公式夕食会で甘いものが大好物だというアメリカのバイデン大統領のために、同社のジェラートがデザートとして振る舞われた。その話はたちまちニュース等で取り上げられ、地元の方々からは名誉で誇らしいと数多くの感謝の言葉を頂いた。「感謝をするのはたくさんの方々に支えてもらっている我々のほう」と喜びを口にする鈴木さん。「これからもさまざまな形で地域に貢献し、次の世代へバトンを繋げるように長く愛される店にしていきたい」と意気込む。(中川)
 ▽問い合わせ=022-302-3125

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