農業共済新聞記事バックナンバー

「農業は新しい市場を創造できるブルーオーシャン」

 【登米市】「面倒なことに手間暇かけることで良いものが作れる。農業はやり方次第では魅力のある職業だ」と話す、登米市迫町の相澤宏(あいざわひろし)さん(40)。水稲22㌶、カボチャ80㌃の栽培のほか、2009年から2棟のビニールハウス11㌃でイチゴ栽培を開始し、株式会社もくりファームを22年1月に設立した。

 宏さんが新たな品目であるイチゴに興味を持ったのは、宮城県農業短期大学時代の友人の紹介でイチゴの生産現場を視察したことがきっかけだった。
 「最初はとにかくイチゴを作るのが楽しかった。自分の行動がイチゴに反映されるのが面白く感じた」と宏さん。市内のイチゴ農家の元で1年間研修を経て本格的に栽培を始め、3年経過した頃から食味にこだわりを持つようになった。「水分量の見分け方や光の当て方など時間をかけて勉強し、今は量よりも質を優先している」という。現在、完熟したイチゴを消費者へ提供するため観光農園と直売のみで販売する。
 また、水稲栽培では2020年から小型無人機(ドローン)を導入した。ドローンを活用して追肥や防除に取組み化学肥料の減量を試したところ「米の品質が向上した上に約70%の肥料代が削減に繋がった」と成果を話す。
 宏さんは、就農希望者に対し「専門の機械を揃えるため経費がかかるイメージがありハードルが高く感じると思う。しかし、やり方を工夫すれば経費を抑えることもでき、新しい事にチャレンジし市場を開拓するチャンスでもある」と自身の経験から話す。
 「農業は魅力のある職業、ブルーオーシャンだと思っている」と今後の農業に期待を込める。(佐藤伸)▽株式会社もくりファーム=080‐6007‐1641

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