農業共済新聞記事バックナンバー

「ブルーベリー栽培を中心に新規就農」

 【村田町】「おいしいブルーベリーを届けたい」と話す、村田町の「合同会社菅生(すごう)ファーム」代表社員の佐藤隆法(さとうたかのり)さん(44)。昨年、公務員から転職し、行政書士をしながら農地80㌃で夢だったブルーベリーとソラマメ栽培に日々奮闘している。

 非農家である佐藤さんは大学卒業後、地元役場の農林課に就職。「農業を知るために自分で何か作ってみてはどうか」と上司からの勧めで、農家と同じ目線で考えられるようブルーベリーの苗木を購入し栽培を始めたことがきっかけとなった。
 その後「地域の方々と一緒に農業に携わり、何か作物を作りたい」という思いが強くなり、昨年3月に退職後、蔵王町のブルーベリー農家のもとに出向き、手伝いをしながら知識を深めていった佐藤さん。今年2月に夫婦で「合同会社菅生ファーム」を設立した。
 現在、「ヒューロン」や「ドレイパー」などのブルーベリー8品種560本を栽培し、2026年の収穫に向け、8品種それぞれに適した生育方法を見つけるため、今は試験的に栽培を行っている。
 苗木は根が浅いため、乾燥しないように灌水頻度を適切に確保して管理し、併せて園地の整備も進めていく。成樹になるまで試行錯誤を重ねながら、より良い方法を確立していくという。
 「目標は3000本まで拡大すること。摘み取り体験ができる観光農園や瞬間冷凍庫を導入するなど、年間を通してブルーベリーが味わえるように工夫していきたい」と佐藤さん。「自分自身が農家になり農業の魅力を深く知ることができた。これまでは農家のサポートしかできなかったが、地域農家とのつながりを大切に地域全体が活気に満ちた農業を目指したい」と笑顔で話す。(齋藤)

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