農業共済新聞記事バックナンバー
「安定生産目指す」
【大崎市】「生活介護事業と就労継続支援B型事業に取り組む大崎市の多機能型事務所「あいあいファームわ・は・わ田尻」では、LWD三元豚の肥育に取り組み、職員8人と利用者25人で作業を行う。管理者の大内芳裕(おおうちよしひろ)さん(45)は「この農福連携で、利用者が意欲的にやりがいをもって作業に取り組むため、工夫している」と話す。
あいあいファームわ・は・わ田尻は、第二種社会福祉事業を行う「社会福祉法人みんなの輪」が運営。褐毛和牛の繁殖と豚の肥育を中心に農作業に取り組み、主となる肥育では、常時120〜130頭を飼養する。子豚は系列施設「ひなた農場」(大崎市内で養豚一貫経営)から導入する。
元々は生活協同組合「あいコープみやぎ」からの受託業務だったが、2018年10月に全面経営委託を受けた。子豚の導入は隔週20頭。出荷時体重は120㌔を目指す。肥育期間90日を目安に年間約500頭を全て同生協へ出荷する。
大内さんは「消費者から『ここの豚肉がおいしくて、他の豚肉が食べられない』と言われるのがうれしい」と笑顔で話す。
成長に合わせた自家配合飼料を与え、さらに頭数に応じて餌箱の数・位置を設定することで、豚が常に一定量の餌を食べられるようにしている。
また、豚舎の床は、冬の寒さに強く消臭効果の高いバイオベッド式にして、豚がストレスなく健康に過ごせるよう心がけている。
作業は明確化・細分化を行い、利用者の誰もが仕事に取り組める環境をつくり、一人一人に役割分担を行って自己有用感を高めることで、利用者がやりがいを持ってもらえるよう工夫している。
大内さんは「養豚技術をさらに向上させ、安定した出荷と導入を図りたい。また、利用する方から選ばれる事業所にしていきたい」と抱負を話す。(阿部智)