農業共済新聞記事バックナンバー

「地域と全国の流通を一挙に手がける多角経営」

【栗原市】栗原市一迫の農業生産法人有限会社川口グリーンセンター(白鳥正文代表取締役=64歳、役員2人・社員15人)は、水稲88㌶のほか、花きや米粉の加工販売、直売などの多角経営を行っている。この営農体系が評価され、「第53回日本農業賞」(NHK・JA全中・JA都道府県中央会主催)の「個別経営の部」で大賞を受賞した。

2001年に法人化した同社は、前身である地元の機械利用組合から設立。生産から流通までを手がけ、地域一帯のネットワークを築き上げている。
 水稲部門は金田地区の20㌃区画の500筆ほどの田んぼで「ひとめぼれ」や「ササニシキ」など6品種を栽培。地区内の担い手同士の連携協定で協議会を組織し、農地を集約する中間管理機構の地域版としての役割も果たす。
 生産した米を加工する米粉部門では、米粉パン製造のフレンドリーチェーン(FC)事業を行い、ミックス粉やパンの冷凍生地も製造・販売する。JGAP認証農場で栽培した主食用米の「ひとめぼれ」や「ミルキークイーン」の食味の良い低アミロース米を米粉にすることで、味が良く、品質に自信を持つ。
 また、米や野菜を販売する直売所も運営しており、高齢化の進む地域での無料宅配や送迎なども引き受けしている。2004年からはネット販売も始め、市内だけでなく全国へと販路を拡大している。
 「このような中山間地域にある農地でのICT(情報通信技術)の積極的な活用と生産性の高さが評価され受賞に繋がった。現在140人から農地を委託されており、今後も地域の高齢化で受託面積が増えるので、受け入れ態勢を整えていきたい」と白鳥代表。「大型機械化や圃場整備を進めて生産販売の強化を行い、地域でも農家経営できる改革を求めていきたい」と希望を掲げた。(伊藤恵)

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