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「環境保全米のブランド化を目指して」

 【栗原市】栗原市瀬峰で主食用米40㌶、WCS(発酵粗飼料)用稲4㌶、永年性牧草15㌶を耕作する千葉智拓(ともひろ)さん(47)。ドローン(小型無人機)を導入し、除草剤散布や追肥作業の労力軽減を図っている。また、瀬峰地区においては地域のスマート農業化と環境保全米のブランド化を目指す一役を担っている。

営農歴18年の智拓さんは、父親の代から繁殖牛と水稲の複合経営を営んできたが、「米作りに集中し、専門的に取り組みたい」と一昨年、水稲一本化へ踏み切った。  

2003年から瀬峰地区の担い手農家からなる耕畜連携循環型農業を目指し、農産物の価値を高める活動を行う「瀬峰地区循環型農業推進会議(通称:瀬峰農場)」にも積極的に参加。環境保全米で食味値や整粒歩合等の基準をクリアした米を「エコ・せみね米(まい)」としてブランド化を図ってきた。  

特に食味値を上げるため、水管理や肥料、ケイ酸カリの散布量など、両親や地域の仲間とともに日々追求する。  

「昨年産は、猛暑の影響で乳白米が混ざり、基準を満たすことは出来なかったが、今年はおいしい米を作れるよう水管理等を重点的に行う」と智拓さん。水管理は、水田の約8割がパイプラインになったことで効率性が高くなったという。

さらに、農地の受託面積の増加に伴い、作業効率を上げるため、土地の集約化やドローンを導入するなど工夫を行ってきた。

生産した米は、JA新みやぎを中心に地元の販売業者と契約するほか、一般向けにも販売。また、畜産仲間と耕畜連携をしながらWCS用稲、藁、牧草のロール販売も行う。  智拓さんは「今後も仲間との趣味を楽しみに日々の農作業を頑張りたい」と意気込みを話す。(熊谷等)

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