農業共済新聞記事バックナンバー

「SNSを活用して生産者と消費者の架け橋に」

 【角田市】「生産者の皆さまの思いが詰まった農産物をぜひ食べてもらいたい」と話すのは、「株式会社ビズエース」代表取締役の石橋良太(いしばしりょうた)さん(33)。自らが生産者の元へ訪れ、角田市枝野地区の遠藤和希(えんどうかずき)さん(26)が生産した農産物や東北を中心に栽培された農産物を厳選し販売する食品ECサイト「Minori(みのり)」を6月に開設した。

遠藤さんは、大学卒業と同時に就農。水稲20㌶や黒豆50㌃を栽培し、ネット販売やSNS(交流サイト)を通じてフォロワーの方へ農産物を提供している。
 石橋さんは、遠藤さんが主催する農業体験を通して「種まきや田植えをして、改めて生産者の努力や思いを感じた」と話す。
 「原点は家族と行ったリンゴ狩りで、広い面積の中に樹木が立ち並ぶ風景と採れたてのリンゴのおいしさに感動した。今まで触れることがなかった農業に興味を持ち、元プロ野球選手としての交友関係や発信力を利用して何かできないか」と考えた石橋さん。「生産者が一生懸命作った新鮮な農産物を販売する手段として、ネット販売事業に踏み出せない生産者の販路拡大をカバーしたい」と意欲的だ。
 SNSでは、全国へ自身の農作業体験を通して安全・安心な農産物の魅力や、農業の現状・生産者の思いなどを発信している。石橋さんは「遠藤さんの農場で米の収穫を体験し、収穫した米も今後は同サイトで販売する予定だ」という。
 石橋さんは「野球を通じて、さまざまな縁で繋がった。SNSを活用して生産者と消費者の架け橋になりたい」と話し、遠藤さんは「農業体験やSNSを通じて、若い世代に農業の魅力を伝え、農業のイメージを変えたい」と2人並んで熱く話す。(遠藤健)

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