農業共済新聞記事バックナンバー
「蔵王源流米をみなさんに」
【蔵王町】蔵王町平沢地区のエコファーム蔵王株式会社(代表取締役・村上善吉さん=74歳)では、「ひとめぼれ」や「ササニシキ」、「やまのしずく」など主食用米6品種と飼料用米、野菜などを栽培。昨年11月の宮城県農林産物品評会(うるち玄米部門)で、「ひとめぼれ」が宮城県知事賞1等と農林水産大臣賞を受賞した。
同社は「地域の農業を守り、楽しく元気な地域づくりをしたい」と、2006年に設立。同品評会には、昨年が初めての出品だったが「最高の賞をいただけてこれまでやってきたことが評価され、自信になった」と村上代表。受賞後は、今年の新嘗祭で県代表として献穀されるため「これまで以上に力が入る」と話す。
村上代表は「平沢地区は、粘土質の土と蔵王連峰からの豊かな水に恵まれている。昼夜の寒暖差が大きいため、粘りがあってもちもちした食感、甘みのある米が育つ」と話す。
土壌には、有機肥料を散布。雑草やカメムシなどの防除は今までも行ってきたが、今年は農業用ドローン(小型無人機)を導入し、適期の防除と作業の効率化に期待する。また、近年の猛暑対策として水の管理に重点を置き、毎朝水の見回りをし、稲の状況に合わせて管理する。
同社では、蔵王の恵みを受けた土と、蔵王を源流とする清水で栽培した米を「蔵王源流米」として販売。蔵王源流米は、同社が運営する「産直市場みんな野」で販売する。昨年は開店前から並ぶ人もおり、購入者からは「甘みと粘りがあり冷めてもおいしい」と好評で、店頭に並べるとすぐに完売したという。
村上代表は「より多くの人に蔵王源流米を食べていただきたい」と話す。(佐藤雅)