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「兄弟でジネンジョ栽培10年」 大崎市岩出山 

【大崎市岩出山】大崎市岩出山小松川地区で自然薯栽培に取り組む中鉢千家治(ちかじ)さん(70歳)と鈴木千世秀(ちよし)さん(68歳)は実の兄弟。2人でジネンジョ栽培に取り組んで10年になる。現在は20㌃の畑から年間1300本を収穫し、地元の「あ・ら・伊達な道の駅」で販売する

「役割を決めて、効率的な仕事ができている。時折、互いの様子を見ながら呼吸を合わせている」と、兄の千家治さんは作業の様子を話す。
 山でジネンジョ取りをしていた2人が、自分たちで栽培できないかと考えたのが10年前。畑での栽培は試行錯誤を重ね、「収穫が安定し出荷できるまでに5年ほど掛かった」と振り返る。
 3月の畑づくりは、毎年、10㌧トラック2台分の山砂を畑に入れることから始まる。「山砂を毎年入れることで連作障害が防げる」と弟の千世秀さんは話す。完熟堆肥を全面散布し、ジネンジョ専用肥料も利用する。
 4月上旬からの植え付けでは、雨どい状のU字型、アングル状のV字型など3種類の埋設シートを使いジネンジョの種芋を植えていく。「3種類のシート中ではV字が適度な強度と種芋の形状が良くなることから、現在は使い勝手の良いV字型を主に使っている」と千家治さんは話す。
 芽が出てきたら、雑草の抑制と地温が上がりすぎないよう白黒マルチで全体を覆い、奇形の原因となる雨水の過剰浸透を防ぐ。10月下旬に収穫を始め、冬に向かい積雪があっても収穫は続ける。むしろ、寒さが厳しくなるほど甘味は増してくる。収穫できなくなる土壌の凍結前には、ハウスの土に埋め戻し出荷まで保存する。。
 「すった自然薯は山芋、長芋よりも粘りが強く、味は濃いのにくせがなくまろやか」と栽培する自然薯に2人は自信を見せる。
 「今年は、JA新みやぎの仙台の直売所へ出荷する計画があるし、昨年失敗した長芋栽培も、別の方法でチャレンジする」と千世秀さんは意欲をみせる。。
 一方、近年はイノシシによる被害があり、「電柵などの対策が不可欠になった」と表情を曇らせる。
 「昔から健康食品とされ重宝されたジネンジョ。周囲の人に栽培技術を広め、生産量を上げブランド化できれば、地域の農業収入も伸ばせる。兄弟で力を合わせていきたい」と2人は意欲を燃やす。

 

 

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