農業共済新聞記事バックナンバー
ハウスメロン 液肥供給を機械で管理
一層の高品質果へ
三浦淳さん(栗原市)
【栗原市】「口コミで広がり、メロンを買い求める顧客が定着し充実している」と話す、栗原市の三浦淳さん(38)。両親と共に「いちご畑MIURA」を経営する。8月の販売に合わせ、ビニールハウス2棟でマスクメロンを栽培するほか、水稲17ヘクタール、イチゴ24アールを手掛けている。
摘果と剪定は手作業で丁寧に
三浦さんは、両親が長年手掛けているマスクメロン栽培を引き継いだ。収穫時期を8月中旬に合わせ、3月下旬に播種し4月下旬に定植する。授粉はミツバチと筆を利用し、摘果や剪定(せんてい)はハサミを使わず一つ一つ手作業で丁寧に行っている。
父・孝夫さん(65)がメロン栽培を始めたころは土耕を採用していたが、連作障害での病気の発生が少なく、水管理がしやすい隔離ベッド栽培に切り替えた。三浦さんは「水切りと硬化期後の水分調節が楽にでき、糖度が高く品質の良いものができる」と話す。
メロンを栽培するには、天候や生育状況に応じて調節するきめ細やかな管理が必要とされる。三浦さん方では、日射量センサーと液肥供給装置を15年前に導入。センサーが日射量を感知し、自動で液肥が散布されるようにした。
糖度の上昇が始まる収穫15日前からは、灌水(かんすい)量を減らしていく。設備を導入したことで、メロンにとって最も重要なこの時期に水管理も安心して行えるという。孝夫さんは「楽にはなったものの、品質を高めるには高度な技術が必要。だからこそ達成感がある」と話す。
三浦さん方では、過去に苦い思いをした経験がある。水稲の作業に追われたために薬剤散布が遅れ、アブラムシが発生した。母・秀子さん(64)は「みんな誰かが防除したと思い込んだ」と悔やむ。
贈答用に高いニーズ
今年は900キロの収穫を見込み、すべて直売で販売。お中元や引き出物など、贈答用として需要が高い。三浦さんは「メロンを目当てに足を運んでくれる人が増えてうれしい」と笑顔を見せる。
3人は「むやみに規模拡大することなく、家族でやれる範囲にとどめ、品質の良いものをこれからも提供したい」と気持ちを一つにする。
▽いちご畑MIURA=栗原市築館成田(TEL0228・22・7215)▽定休日=毎週火曜日▽営業時間=午前10時~午後6時(日曜・祝祭日は午前9時~午後6時)