農業共済新聞記事バックナンバー

地域おこし協力隊員2年目 末永く続く関係へ

佐藤克幸さん(七ヶ宿町)

【七ヶ宿町】地域の活性化対策として、2009(平成21)年から始まった「地域おこし協力隊」。人口減少や高齢化などの進行に悩む地方自治体が、都市住民を受け入れて委嘱する。農林漁業の応援、住民の生活支援などの「地域協力活動」に従事してもらい、定住・定着を図りながら地域力の維持・強化を図っていくことを目的としている。

七ヶ宿町は、地域支援や農業の担い手の育成、町への定住につなげようと地域おこし協力隊の受け入れを始めた。任期は1年で、最長3年。現在は5人体制となっている。
主な内容は、育苗や田植え・稲刈りの補助、農地の草刈り、果樹の摘果や剪定(せんてい)など。隊員は農業支援をしながら、次期担い手として農業を学ぶ。また、高齢化が進む同町で、地域支援として町道や住宅の除雪作業、空き家周辺の草刈り、町のイベントの補助など地域に密着した活動も行っている。
佐藤克幸さん(32)は、七ヶ宿町の協力隊1期生として13(平成25)年10月に委嘱され、2年近く活動を続けている。以前は仙台市内で寿司(すし)職人だったが、妻・秋子さん(28)の勧めで、協力隊として働くことと家族での同町への移住を決めた。
克幸さんは実家が農家なので刈り払い機などの扱いに慣れており、活動にはスムーズになじめたという。「初めは地域の人とのコミュニケーションや、どういったことができるのか手探りだった。協力隊の存在が浸透し受け入れてもらえた時、地域の人に喜んでもらえた時にやりがいを感じる」と話す。また前職の経験を生かして「寿司教室」を定期的に開催し、地域の人から好評を得ている。
七ヶ宿町湯原(ゆのはら)に住む梅津賢一さん(57)は「克幸さんは力仕事もこなしてくれる、人当たりがとても良い人です。また、農作業や除雪の手伝いをしてもらってとても助かっています。協力隊の任期後も七ヶ宿で引き続き働けるような環境づくりを、われわれもしていきたい」と話す。
秋子さんと2人の子供たちも自然豊かな七ヶ宿町や、そこで暮らしている人が大好きで、任期後も農業を通して同町での定住を考えている。また「将来はこの町へ移住を希望している人のサポートができる仕事をしていきたい」と目標を話す。

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