農業共済新聞記事バックナンバー

石臼でひきたて販売も より安定した産地へ

大和町 鶴巣そば生産組合

【大和町】2003(平成15)年からソバ栽培に取り組む大和町の「鶴巣そば生産組合(佐藤虎一組合長・79歳、組合員170人)は、16(平成28)年産では栽培面積を115ヘクタールまで拡大。県内有数のソバ産地として地産地消にも力を入れ、石臼でひいたそば粉の販売を行うなど普及に努めている。

鶴巣そば生産組合は、主食用米に代わる転作作物としてソバを手掛け、14年になる。
栽培する品種は、「信濃一号」と「にじゆたか」で、7月末に10アール当たり4キロの種子を畝間30センチで筋状に播種。収穫までの期間を約80日として、10月中旬に収穫作業を行っている。
佐藤組合長は「水稲栽培のように除草作業を行うこともなく、病害虫による被害も少ないため、肥培管理では手間がかからず低コストだ」と話す。
しかし、ソバの生育は、長雨といった天候不良や連作の影響を大きく受ける。佐藤組合長は「雨に備え、圃場に溝を切るなどの排水対策を行っている。さらに、10(平成22)年からは、ソバの播種前に一部圃場で麦栽培を導入。連作障害を回避するほか、収益率向上を図っている」と気を引き締める。
収穫したソバは、年間を通じてそば粉に加工し販売。オーダーを受けてから実を磨き、選別と脱皮の工程を経て、石臼で丹念にひき、篩にかけて仕上げている。
「いつでもひきたてのおいしさを感じてもらいたい」と佐藤組合長。「手打ちそば店からの需要もあり、『ソバの香りや風味がある』と反応がいい」と続ける。
委託加工し販売する乾麺「鶴巣のそば」では、「いつでも手軽に味わうことができる」と好評なうえ、趣味でそばを打つ人向けに提供する「むきみそば」もオーダーが増えているという。
これらの商品は、町内の産直施設「JAグリーンあさひな」でも販売。佐藤組合長は「これからも食料を生産するだけでなく、商品を提供することで農業の良さを発信していきたい」と意気込む。
▽鶴巣そば生産組合=FAX:022-343-2751、TEL:090-7792-8273

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