農業共済新聞記事バックナンバー
跳躍オール宮城 全共宮城大会を終えて(2)
優秀賞6席 根元仁一さん(大和町)
【大和町】「改めて学べたことは大きな収穫だった」と話す、大和町の根元仁一さん(70)。全共宮城大会で種牛能力と産肉能力を総合評価する第7区の肉牛群に出品し、優等賞6席を受賞した。「出場は大変名誉で、貴重な経験だった。結果も大事だが『仙台牛のPRにつながれば』という一心だった」と話す。
根元さんは、黒毛和種の肥育牛230頭を飼養するほか、水稲2・8ヘクタールを作付けしている。肥育経営は1990(平成2)年から開始。91(平成3)年4月からの牛肉の輸入自由化で国産ブランド牛を訴求し、差別化を図る動きが出てくると見据えて取り組み始めたという。事故を出さないよう細心の注意を払うほか、ストレスを感じさせない環境づくりを心掛けている。
第7区は、同一の県基幹種雄牛の産子を、種牛群(4頭)と肉牛群(3頭)合わせて1群として評価する。肉牛群では出品条件に「生後月齢24カ月未満」を掲げ、早期に肉質を仕上げる高度な肥育技術が求められる。県では、名牛「茂洋」の初めての後継牛で、現場後代検定成績で県歴代最高となった「好平茂」の産子で臨んだ。
「全共だからと意識せずに普段通りに飼養したが、通常より早く肉質を仕上げる必要があり、関係機関と連携を図ってアドバイスを受けながら取り組んだ」と根元さん。「さまざまな場面で多くの協力をいただき感謝している」と加える。
根元さんは「経営移譲し、次の大会に向けた挑戦は息子が判断するが、意思を継いでくれることを期待する」と話す。