農業共済新聞記事バックナンバー
山野草に魅せられて
【栗原市】栗原市築館の髙橋保男さん(70)は、山野草「ハクサンチドリ」に魅せられ、市内の山野草愛好家で作る「築館野草会」に長年在籍し、会長に就いてからはなお一層、山野草の種子増殖に尽力している。髙橋さんは「愛情をこめて種から育てた山野草は、ひときわ愛らしくて味わいがある」と話す。
花木100品目以上を栽培
髙橋さんは、登山時にハクサンチドリを目にして以来、愛らしく咲く山野草に魅了され、育成・増殖しながら愛好してきた。
自宅庭には、野山に生息するミズバショウやハナイカダなどを含む花木100品目以上を栽培。市内の築館野草会に入会してから40年ほどたち、3年前からは会長に就任した。
髙橋さんは、自然の野山に自生する山野草を、環境条件を整えて工夫を凝らしながら手塩にかけて育ててきた。「播種し発芽が確認できたときや花が咲いたとき、厳冬を乗り越えて株が増え、1本だった花芽が2~3本に増えたときなどは感慨深い」と話す。
同会では毎年5月と7月、野草展を開催してさまざまな山野草450点ほどを展示し、県内外から多くの来場者がある。
展示会に合わせて開花を調整する場合が多く、暖かい日が続くと日陰に運び入れて抑制し、寒い日が続くと園芸ハウスで温めるほか、浴室で蒸気に当てて促進している。髙橋さんは「来場者に喜んでもらうと、とてもうれしい」と話す。
「今後はこれまで以上に山野草の種子増殖を図り、広く提供し愛好者を増やしていければ」と髙橋さん。「農業団体や行政機関と連携して栽培が難しいラン科植物を普及・定着化させ、地域の特産品として確立する手助けをしたい」と意欲を燃やす。
▽築館野草会(髙橋会長 0228-23-7597)