農業共済新聞記事バックナンバー

減農薬・減化学肥料でネギ栽培
「安全・安心を第一に」

【加美町】加美町の渡邊大介さん(36)は、実家の農業を継ごうとしていた矢先、東日本大震災を経験。食を支える農業の重要性を改めて感じ就農を決めた。父・安久(やすひさ)さん(68)が代表取締役を務める「株式会社なべちゃんファーム」でネギを手掛け「安全・安心なネギを届けていきたい」と話す

震災で農の重要性を再確認規模拡大と地元雇用目指す

大介さんは、父・安久さん、母・和子さん(66)と立ち上げた株式会社なべちゃんファームで、ネギ2・5㌶、水稲1㌶、サボイキャベツ10㌃を作付けしている。
「30歳を目前にして、両親の後を継ぎたいと就農する準備を進めていたときに震災があった。食を支える農業の役割は大きいと強く感じ、就農する気持ちが固まった」と大介さん。昨年3月、雇用契約を明確にすることで人材を確保し、生産性と所得の向上を目指そうと安久さんが法人化すると、取締役として農業機械を使った作業全般を担っている。
今月からは、ネギ品種「夏扇パワー」の出荷が始まり、冬期まで収穫作業が続く。品種ごとに生育ステージが異なり、収穫しながら栽培管理も行うため、段取りが重要になる。大介さんは「週間天気を必ずチェックし、天候に合わせた作業計画を立てて作業配分、栽培管理をしている」と話す。
ネギは、減農薬・減化学肥料栽培に取り組み、宮城県エコファーマー認定を受けている。出荷は、仙台市中央卸売市場のほか、地元の直売所や居酒屋など。大介さんは「安全・安心な農産物を生産し、消費者に提供していきたい」と話す。
安久さんは「現状を維持しながら、息子なりの経営手法を見つけてほしい。農業は体を使うため、一人では大変なこともある。健康には気を付けること」とアドバイスする。
大介さんは「遊休農地などを活用しネギの作付面積を増やしていきたい。将来的には設備を増設するなどして生産性を上げ、地元の人を雇用していければ」と意欲的だ。

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