農業共済新聞記事バックナンバー

産地振興の一翼担う
トルコギキョウに挑戦

【柴田町】輪ギクの名産地柴田町では、近年トルコキキョウの生産が増えている。同町の大宮義恵(よしえ)さん(71)と江智子(えちこ)さん(66)夫婦は2011(平成23)年にトルコキキョウの栽培を開始。「『花のまち柴田』を盛り上げる一翼を担いたい」と話す。

義恵さんは、露地とハウスで輪ギクを栽培していたが、花持ちが優れ、市場で人気の出てきたトルコキギョウの栽培に挑戦。当時、キクの市場価格が低迷していたことや、輪ギクと比べて消毒・芽かきの負担が少ないことも大きな理由だった。
ハウス2棟から開始したトルコキギョウ栽培は、現在、露地の輪ギク30アールを残し、ハウス10棟(25アール)まで増やしてきた。
トルコキギョウは、一重咲きや八重、花形が鐘形や皿形、大輪や小輪などさまざま。花色も紫、白、ピンク、みどり、アプリコットなど豊富で、単色や縁取りのある2色のものなど多彩だ。品種は300種以上に及び、お盆・お彼岸のお供え用や結婚式の需要がある。
義恵さんは、30種を栽培し、播種は4月下旬から5月上旬と、8月下旬から9月上旬の年2回。直径2mmに満たない種子を一粒ずつポットにまき、冷蔵処理を1カ月間行う。
その後はハウスに移動し、底面灌水で発芽させる。「暑さに弱くて発芽が難しい。定植するまでが大変だ」と大宮さん。双葉が展開し、本葉が見えてきたら定植する。
温度と水の管理が大切で、不要な側枝や側芽の除去も欠かさない。3日おきに灌水して育て、1本の茎に4、5の花が咲くよう整枝し、つぼみが出たら水を控える。
昨年9月に播種し、12月に定植したものが、現在収穫期を迎え、早朝に、10本を一束にし、3把をバケットに入れて出荷。義恵さんは、「切り花は、花色、草姿、新鮮さが重要。品質向上のため生産者同士、管理技術の情報交換をしながら切磋琢磨し合っている」と話す

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