農業共済新聞記事バックナンバー

「ストレスフリーの環境を整備安全・安心な自然卵生産を目指す」

【仙台市】仙台市宮城野区岩切の養鶏場「自然農園・丹庄(たんしょう)ファーム」(丹野庄衛(しょうえい)代表・72歳)は、国内産原料に限った自家産籾殻(もみがら)発酵飼料を給餌し、飼養環境には出来る限りストレスを与えないよう平飼いを採用する。このほど、こだわりの自家産卵を使用したプリンやケーキを提供する加工場兼直売所「丹庄ファーム菓子工房」をオープンし、新たな販路拡大に踏み出した。

2018(平成30)年に創業した丹庄ファームは、「岡崎おうはん」「あずさ」「アローカナ」「烏骨鶏(うこっけい)」の養鶏に取り組んでいる。
日光や風を遮(さえぎ)らないよう開放的な鶏舎に努め、1棟(12坪)あたり飼養頭数を50羽未満として平飼いし、環境を整備。また、地元産玄米や米ぬかなどを使用する自家産飼料を与えている。
丹野代表は「鶏がのびのび過ごせる環境と、健康に良い餌が大切。本来の特性を失わない、おいしい卵を産んでくれる」と仕上がりの自信を話す。
採卵には専用の産卵箱(スチールネスト)を使用。産み落とされた卵は、鶏舎外のかごに自動的に集約される。
卵表面の「クチクラ層」と呼ばれる細菌の増殖を抑える殺菌層は、水洗いすると効果がなくなるため「当ファームでは卵に汚れが付くのを最小限に抑え、殺菌層の効果を生かし出荷している」と紺野祐樹(こんのゆうき)農場長はメリットを強調する。
鶏舎内に化学物質が蓄積しないよう、餌に抗生物質を混ぜ込むことや、薬剤による鶏舎消毒は行わず、安全性に配慮。鶏糞は肥料として周辺農場へ提供し、資源循環に取り組む。
生産した卵は、先月開設した直売所で販売。さらに、代表・妻の千恵子さん(72)と娘3人がケーキやプリンに加工し提供する。
丹庄ファームでは、「農場キャンプ」や「命をいただくワークショップ」などの企画を通じて家畜の素晴らしさや、国内産飼料にこだわる意味、農場発の環境教育にも積極的に取り組んでいる。
▽自然農園・丹庄ファーム(菓子工房)022・255・8201
住所・仙台市宮城野区岩切2丁目10―8 ハミルトンハウス参番館105・営業時間10時~17時 日曜、祝祭日定休※商品が無くなり次第終了

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