農業共済新聞記事バックナンバー

経営移譲を機に法人設立
~地域に根差す~

【登米市】登米市中田町の石ノ森農場は、山内健太郎社長(37)が父・啓司(けいし)会長から経営委譲した2014(平成26)年に法人化し、設立。山内社長は「農地を守り、周囲から信頼される存在となって、地域とともに歩んでいきたい」と抱負を話す。

石ノ森農場は役員3名と社員5名で、水稲30ヘクタールとキュウリ25アール、タマネギ50アールを栽培する他、トルコギキョウやストックなどをハウス20アールで手掛けている。
「法人化し仲間が増えたことことで、父と二人ではできなかったことが、できるようになり、経営の幅が広がった」と話す山内社長。花き栽培や、空きハウスを借りてキュウリ栽培に着手するなど、新しい取り組みに意欲的だ。
花き栽培のきっかけは、オランダの農業研修で、ICT(情報通信技術)を活用した最先端の施設園芸に触れたことだといい、研修後、スマートフォンでハウス内の環境を把握できる温室管理システムを導入。スマート農業を実践する。
また、社員には、担当分野の業務改善など、主体性を持って働くことを呼び掛ける。
社員の杉浦和浩さん(38)は「社員がのびのびと働ける職場環境なので、それぞれの個性が生かされていると思う。互いに協力しながら、農業を楽しんでいるので充実感がある」と話す。
これまでの3年間は、県農業大学校から新規に社員採用するなど、積極的に若手人材を雇用している。
今年入社した菊地あかりさん(20)は「経験を積みながら農業を勉強していきたい」と意欲的に話す山内社長は「これから農業を志す人に、農業は楽しいと感じてもらいたい。自分も就農当初、多くの先輩たちのサポートがあって今がある。現在も、地域に育てられている」と話す。
また、自分の性格を「興味のあることは深く追及する」と分析。新聞などで新しい営農技術の情報を見つけると視察に行くのだという。行動に移すことで、新しい発見や出会いがあることも面白そうだ。
山内社長は「これからはキュウリ栽培の規模を拡大しながら、食品加工に興味があるので、6次産業化に取り組んでいきたい」とやる気を見せる。

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