農業共済新聞記事バックナンバー

田んぼで育む絆
登米市 住民主体の農業体験

【登米市】登米市中田町浅水の新田ふる里夢と希望をつむぐ会(小野寺郁雄代表・会員99人)と新田ふれあい体験隊は先ごろ、ふれあい体験田2・2アールで、アイガモ農法を実施。地域を活性化させようと、農業体験を通じて世代間交流を図る企画に、新田地区の大人や小学生ら35人が集まった。

アイガモ農法は、2003(平成15)年から12(平成24)年までの10年間行ったが、鳥インフルエンザの流行から子どもたちへの影響を配慮し活動を中止。無農薬のため、中止期間中は手作業で除草を行い、今年7年ぶりの再開となった。
「久々のアイガモ農法だったが、みなさんの郷里よくで企画を成功することができた」と体験隊の和泉(いずみ)孝志さん(67)は話す。
今回は、アイガモ農法を行う準備から、放鳥までを実施。畦畔に支柱を立て、田んぼを囲うように防鳥ネットを張り、天頂部分には糸を張ってカラスなどの侵入を防ぐ。
防鳥ネットの水際にはあぜ波シートを立てて、ハクビシンの侵入も防いだ。アイガモたちの新しい小屋も設置し、準備万端だ。
「小さくてかわいい」「いっぱい草を食べてね」と子どもたちはアイガモの登場を喜んだ。
放たれたアイガモの雛は、餌となるウンカなどの害虫や、雑草を求めて水田を泳ぎ捕食。アイガモが泳ぐことで土と水がかき回され、水田内に酸素を供給する。さらに、糞は肥料として稲の生育を助けるなどのメリットがある。
和泉さんは「メリットがある一方で、雑草だけでは足りないので、朝晩の餌やりは欠かせない。成長したアイガモは稲穂を食べてしまうため、8月下旬には引き上げ作業を行う」と話す。
作業後は、地域の婦人方が用意したおにぎりを堪能。「今日だけに限らず、田んぼの様子やアイガモを見に来てほしい」と和泉さん。同会は今後も稲刈りや脱穀作業を計画して、一年を通じて農業体験を行いながら、地域交流を深めていく。

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