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「ICTを活用したイノシシ罠設置」大崎市岩出山

【大崎市岩出山】大崎市岩出山地区有害鳥獣対策実施隊(大沼力隊長・74歳)は昨年12月、同地区で増加するイノシシの農作物被害に対応しようと、情報通信技術(ICT)を活用した囲いわなを借り、岩出山南沢地区に設置した。スマートフォンからわなの状況が確認でき、見回りの負担軽減や、イノシシがわなが入った際、即座に対応が可能となる。
 大崎市岩出山支所地域振興課の佐藤孝係長は、「実施隊員の負担軽減と捕獲率を向上させ、イノシシ被害の軽減に期待する」と話す。

囲いわなはイノシシの侵入を感知するセンサーと暗視カメラを付設。専用のアプリと連動し、イノシシがわなに入るとカメラの映像が隊員に送られ、遠隔地にいてもスマートフォンの操作でわなの扉を閉めることができる。
 「大震災以降、イノシシの農作物被害が増えた。イノシシが住みつきにくい地域にしたい」と話すのは実施隊員の阿部正重(まさしげ)さん(57)。繁殖和牛8頭を飼養し、水稲30㌃と野菜など5㌃を栽培する。
 阿部さんは2017年に地元の有志10人でわな狩猟免許を取得。田畑に電気柵、箱わな、くくりわなを設置し昨年の捕獲は4頭だったという。
 「囲いわなは母イノシシとウリボーたちのメスの群れで捕まえる狙いがある。隊員同士で情報を共有し、1度に数頭の捕獲に期待したい」と話す。解体と組み立てが容易なため、設置場所の移動も可能だ。
 イノシシは警戒心が強いため、センサーの稼働は夕方6時から翌朝の6時まで。人気の少ない夜間に合わせるが、イノシシの姿はまだないという。
 大沼隊長は「春先からイノシシの行動が活発になるので、この時期にできるだけ多く個体を捕獲しイノシシ被害の減少につなげたい。わなの見回りやなど隊員同士の連携を密にして有害駆除にあたっていく」と話す。 

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